まず当初の懸念事項であるISOの書類をどのように処理しているのか、必要なデータは何か、などの聞き取りから開始しました。詳細に聞いているうち、図書作成にあたり重複作業があるように見受けられました。
これを受け、社内の主要なメンバーに一人ずつ聞き取りを行い、業務や書類の流れを確認し、普段の仕事で困っている点を確認しました。また、そこからそれぞれの作業にどの程度時間を使っているかを推定しました。作業時間の推定については、ちょうど前年に実作業時間を詳細に記録していたため、それを活用しました。
その結果、どの作業殻効率化するのが良いか、またその効果はどの程度見込まれるのか期待値を出すことができました。具体的には、製造設備事務、特に工程管理や製造計画に一人当たり300時間程度(主要メンバー3名)かかっていることがわかりました。これを仮に半分の時間でできるようにできれば、150時間×3名で450時間の労力を削減することができます。
また、聞取りの結果から、業務及び図書のフローを図化し、どこで図書が重複しているかなど見える化することができました。
上記の作業の見える化を通して、データのやり取り及びまとめ方、経験の蓄積などに問題があることがわかりました。
問題解決のため、社内ポータルサイトを作成して一元管理することにしました。社内ポータルサイトには、ノーコードツールであるNotionを使用することにしました。NotionはマイクロソフトのWordやExcelのように気軽に文書を作成するだけでクラウドのデータベースになるため、社内ポータルサイトの作成を自走することが可能です。さらに、Notionは階層構造を気軽に変更することができるため、今回のように全体構造を完全に見渡せず、常にシステムアップ(増築)していく形のアジャイルな開発に最適と判断しました。
このNotionの社内ポータルサイトに、データベース特化型のノーコードツールであるAirtableで作成したデータベースを埋め込み一体としました。これによりNotionが不得意である複雑なデータベースも一つのサイトにまとめられるようになりました。